2-A05 残像効果を用いた高リフレッシュレートLCDによる視覚効果の検証
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2-A05 残像効果を用いた高リフレッシュレートLCDによる視覚効果の検証
奈良 雅大(東京科学大学),宮藤 詩緒(東京科学大学),小池 英樹(東京科学大学)
本研究では,高リフレッシュレート液晶ディスプレイによる視覚効果を検証する. ヒトの視覚において,高速で異なる色を呈する物体は,それらの色の混色として知覚される. これを経時加法混色と呼ぶ. 本研究では,液晶ディスプレイに高速で複数の画像を連続で表示することで,静止状態と動いている状態で見え方の変わる表示を実現した. これは,動いている状態では経時加法混色の画像統合のみだれが生じ,ずれた部分が色づいて知覚されるというカラーブレイキングという現象に基づいている. 本検証では,赤緑青黒で構成された4枚画像を高速かつ連続で表示する. 結果として,静止状態の観察者には,混色された灰色の画像として知覚され,動いている状態の観察者では格子の境界に色がついて知覚されたり,図形の外縁が色づいて知覚されたりする視覚効果が観測された. また,画面の前で物体が動くことにより,残像に色がついて見える効果を実証した. 液晶ディスプレイを用いた本検証は,デジタルサイネージによる案内や広告における,観察者の動きに応じた視覚効果の実現など,さまざまな状況で応用の可能性がある.